ジョルジュ・バタイユ(1897年9月10日-1962年7月8日)は、フランスの思想家であり作家でもあり、数々の著書を残しています。
「眼球譚」という作品は、エロティズム文学として有名であり、オーシュ卿というペンネームで1928年に非合法の書物として地下出版されました。
主人公である少年の「私」という一人称で語られています。
あらすじを簡単に説明しますと、「私」と遠縁にあたるシモーヌという娘が、日々性的な遊びに耽り、マルセルという純粋な美少女も巻き込み、精神に異常をきたしたマルセルは病院に入れられ自殺をしてしまいます。
やがて二人のアブノーマルな行為はスカレートしていき、ついには殺人までもを犯してしまいます。
一言で表せば、エログロの世界なのですが、物語の中では卵、眼球、睾丸などの球体が性的なものを喚起する象徴として出てきます。
特に眼球に関しては、作者バタイユの生い立ちが大きく影響していると言われています。
彼の父親は梅毒を患い盲目で半身不随でした。
いつもベッドのそばで用を足していたようで、見えない眼球を見開きながら排尿するその姿が幼いバタイユの目には醜悪にそして悲惨に映り、さらに恐怖として植えつけられたようです。
そのためか作中には排尿のシーンも出てきます。
暗い家庭環境から脱出するように、17歳のバタイユは入信して敬虔なカトリック教徒になりましたが、そこには自分を救ってくれるものなどはないと思ったのでしょうか、27歳の時に信仰を捨てています。
神に救いなど求めても無駄と言わんばかりに、「眼球譚」の中では主人公達の背徳的な猥褻行為が続き、最終的には神への冒涜となっています。
道徳的なものに縛られない、欲望の赴くままに突き進むシモーヌに、精神の開放と快楽の自由を表したかったのかもしれません。
「眼球譚」(初稿) (河出文庫) \630
ジョルジュ・バタイユ (著) 生田耕作 (翻訳)
「目玉の話」というタイトルで「眼球譚」の新訳も出ています。
読み比べてみるのもいいかもしれません。
「マダム・エドワルダ/目玉の話」 (光文社古典新訳文庫) \440円
ジョルジュ・バタイユ (著) 中条省平 (翻訳)
「エロティシズム」 (ちくま学芸文庫) \1575
ジョルジュ・バタイユ (著) 酒井健 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/
ここで紹介した著書はほんの一部ですので、興味のある方は色々読んでみましょう。